読書 『巨額を稼ぎ出すハローキティの生態』
2004年7月1日 読書
ISBN:4492555161 単行本 酒井 泰介 東洋経済新報社 2004/06 ¥1,890
驚いたことに、キティが出来てからもう30年余りにもなるという。
最近のキティの爆発的ブームは、子供の好奇心だけではなく親の郷愁もさそっているのだ。つまり30年という長い歳月が、今のキティ人気を作っているという。子供にとっては抱きしめたくなるかわいいもの。ティーンネイジャーにはちょっとキッチュなファッションとして、そして、キティが出来た当時子供だった人々は今や親となり、郷愁と共に、自分の子供にキティを買い与えるのである。
キティは、ストーリーを持たないからこそ、なんにでも張り付く。それが暴力やセクシャルなものを連想させる製品以外には何でもデザインすることが出来るのである。それゆえ、今やいたるところにキティの顔があしらわれた製品が氾濫している。
だがキティが今後も人気を保ちつづけられるかということについては保証がない。今、キティは販売戦略において岐路を迎えているとこの本には書かれている。
ただ、ブームってのは周期だから、例えキティ人気が凋落しても、淘汰されずに、細々とでも生存していれば、今の子達がまた親となったときには、子供に買い与えることになるんじゃないかなあなんて思っちゃう。要はそれまでサンリオという会社をどうやって存続させるかだけれど。。。
極東の島国・ニッポン。この国に初めて降り立った外国人ならば、きっとこう思うはずだ。行き交う人々は礼儀正しく、通りは清潔。タクシーの運転手は白手袋までしている。何もかも順調そうじゃないか――。スヌーピーはピーナッツというマンガ、ミッキーはディズニー映画により世界に広まったキャラクターである。キティの特異なところは、そのキャラクターがただのミニマルアートであり、スヌーピーやミッキーのようなストーリー設定も詳細なキャラ設定もなされていないのに、世界的な広がりを見せていることである。それはサンリオが意図的にそうしているらしいのだが、キティは極力動作や表情を省かれ、キャラ設定は漠然としている。そしてそういうところにこそ、キティの強みがあるのだという。個人の想像により自分だけのキティを作り出し、自分だけのストーリーを設定することが出来るからだ。
しかしよくよく見てみると、外国人にはちょっと理解に苦しむものばかり。意味不明な英語をあしらった広告、電車の中吊りには露出過多の少女タレント、そして何より、どこに行っても出くわすカワイいキャラクターたち。
日本在住経験をもつアメリカ人ジャーナリストの著者2人が、日本人に染みついた「カワイイ文化」を鋭い視点で徹底検証。世界的な成功を収めるハローキティの誕生から販売戦略までを追いながら、巨額を稼ぎ出すこの白ネコの生態を、カルチャー、ビジネスの両面から観察する。
なおこの日本語版には、原書にはない「おまけ」がついている。各章の冒頭で、日本中にあふれるキティ関連商品の中から選りすぐりのものを紹介しているのだ。「キティ商品といっても文房具、タオル、ぬいぐるみ、Tシャツくらいでしょ?」なんて思っているようなら、あなたはまだ甘い! 「カワイイ大国」日本では、アゴが外れるほど意外なものにまでキティが貼りついているのだ。さて、その驚くべき実態とは? 本書をとくとご覧アレ。
驚いたことに、キティが出来てからもう30年余りにもなるという。
最近のキティの爆発的ブームは、子供の好奇心だけではなく親の郷愁もさそっているのだ。つまり30年という長い歳月が、今のキティ人気を作っているという。子供にとっては抱きしめたくなるかわいいもの。ティーンネイジャーにはちょっとキッチュなファッションとして、そして、キティが出来た当時子供だった人々は今や親となり、郷愁と共に、自分の子供にキティを買い与えるのである。
キティは、ストーリーを持たないからこそ、なんにでも張り付く。それが暴力やセクシャルなものを連想させる製品以外には何でもデザインすることが出来るのである。それゆえ、今やいたるところにキティの顔があしらわれた製品が氾濫している。
だがキティが今後も人気を保ちつづけられるかということについては保証がない。今、キティは販売戦略において岐路を迎えているとこの本には書かれている。
ただ、ブームってのは周期だから、例えキティ人気が凋落しても、淘汰されずに、細々とでも生存していれば、今の子達がまた親となったときには、子供に買い与えることになるんじゃないかなあなんて思っちゃう。要はそれまでサンリオという会社をどうやって存続させるかだけれど。。。
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