DVD ケイエスエス 2002/12/20 ¥5,040
『ポルノ・スター』『アンチェイン』の豊田利晃監督が、『ピンポン』などで知られる松本大洋の同名短編集コミックを原作に描く、ある男子校を舞台に繰り広げられる不良学生たちの痛切なまでの青春群像。松本大洋というマンガ家を僕はつい最近知ったのだけど、サブカル方面でえらい有名なマンガ家さんみたいやね。ピンポンと同じくらいのときに映画化されたっけ。僕はピンポンは観てないけどこっちは映画館に観にいった。ピンポンがシネコンで上映されてたとき、青い春は単館上映だった。でも、とっても面白かった。無感情なメガネがなにやら恐ろしくもありかわいそうでもあり。こういう映画もよいねえ。でも、なんて学校だあ。ちょっと松本大洋のマンガに興味を持ったのだった。
カメラが学校の外に出ることはほとんどなく、閉塞した空間の中でさまざまなエピソードが羅列されるのだが、次第にドラマは松田龍平扮するクールな主人公・九條と、彼を慕う親友・青木(新井弘文)との確執に焦点が絞られていく。濁るところない真っ青な空のごとき男同士の友情が、それゆえに惨劇へと突き進んでいく壮絶さ。これはもう観た者だけが共有しえるものでもあろう。時折挿入される屋上での過激な度胸試しシーンのインパクトもすさまじい。若手俳優たちの、飾らない生の熱い演技も素晴らしい。今後の日本映画の方向性を占ううえでも必見の作品だ。
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