DVD 日活 2000/07/19 ¥4,935
太平洋戦争末期の沖縄本島で臨時看護婦部隊として従軍し、壮絶な玉砕を遂げた、沖縄師範学校の女子生徒たち。この通称「ひめゆり部隊」の乙女たちの悲劇的な最期を描いた戦争映画である。冒頭とラストには68年当時の若者風俗をおり込み、そこから戦時中を回想していく構成になっている。
吉永小百合や和泉雅子など、時の日活青春映画スターを総動員していることもあり、叙情的描写が印象的だ。その一方で、戦闘シーンになるとダイナミックな迫力がひときわ目につく。のちに『トラ・トラ・トラ!』や『二百三高地』など、戦争大作の第一人者となるアクション派、舛田利雄監督ならではの持ち味だろう。
なお、ひめゆり部隊を主題とした映画は、53年『ひめゆりの塔』以来、本作を含め62年、82年、95年にも製作されている。
吉永小百合が出ているからといって勝手に詩的な悲しみで描かれているのだろうなどと決めつけていた僕はラストに向かうに連れてあらわれだす徹底的な生のリアリズムに打ちのめされた。
もっとも醜悪で理不尽な戦争の悲劇とは、まことに彼女たちの運命に象徴される。迫真の演技は縁起を超えて真実の悲しみを届けてくれるものである。僕たちはこの悲しみをスクリーンの中だけにとどめておかなければならない。 

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