映画 『アルジャーノンに花束を』
2004年5月17日 映画〔洋画〕
DVD ビクターエンタテインメント 2002/09/27 ¥2,625
自分の記憶が消滅するということは、一つの自我の死を意味する。
その先にあるのは自分の知らない新しい自分である。それは、自分であるが、もはや自分ではない。記憶は、自己の存在を定義する唯一のものだと押井は言っている。記憶を失う恐怖。
チャーリーの苦悩は、死(自己の喪失)への恐怖なのである。
本来なら元の自分に戻るだけだが、その元の自分という存在が、過去や哀しみを理解し得ない自分であるということを理解できるのが今の自分であるがゆえに、彼が元の自分を自己の喪失と同一視したとしても無理もないことである。
知的障害をもつ心優しい青年・チャーリィは、夜学の女教師・アリスの暖かい励ましで特別な脳手術を受ける。その結果、一般人をはるかに上回る知能を得て、一躍天才となるが、嫉妬心、愛憎に直面し、悩んでいく。マスター・ピース・コレクション。人間は知識によってのみ成り立つものではない。どんなに速く知識を得られる才能を身につけても、「経験」を速くすることは不可能だ。人間は、過去の自分の経験から、心を形成していく。もちろん、知識もそこに介在し、影響を与える一つの要素だ。だがしかし、知識は所詮知識であり、体験を補完するものでしかない。
自分の記憶が消滅するということは、一つの自我の死を意味する。
その先にあるのは自分の知らない新しい自分である。それは、自分であるが、もはや自分ではない。記憶は、自己の存在を定義する唯一のものだと押井は言っている。記憶を失う恐怖。
チャーリーの苦悩は、死(自己の喪失)への恐怖なのである。
本来なら元の自分に戻るだけだが、その元の自分という存在が、過去や哀しみを理解し得ない自分であるということを理解できるのが今の自分であるがゆえに、彼が元の自分を自己の喪失と同一視したとしても無理もないことである。
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