DVD ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2004/07/07 ¥2,090
若い娘に入れあげる夫、浮気に夢中の妻、隣のオタク青年に恋する娘。自分の幸せを追求するあまり、家族という幸せの形を放りだしてしまった愚かな人々をコメディタッチで演出したのは、イギリス出身のサム・メンディス監督。
シニカルなユーモアが得意なイギリス人らしく、アメリカンファミリーのダークサイドをブラックユーモアたっぷりに描いている。おかしいけど悲しい、その微妙なサジ加減が絶妙だ。第72回アカデミー賞で、作品、監督、脚本、主演男優、撮影の主要5部門を受賞した。
名作に含まれる要素のカクテルジュース。それゆえか、個々のエピソードに対する印象がやや希薄になっているように思われ、秀作ではあるが手放しには賞賛できない物足りなさを感じさせる。
構成の妙の中に個性が埋没してしまっているというか、巧すぎるがゆえにまとまりすぎてるというか。
例えば、ストーリーにどうしようもない破綻があったとしても、単純ではあるが強烈な作家性を放つメッセージが内包されていることが一目瞭然な作品の方が長く記憶に残ったりするんだろうなあと僕なんかは思うわけで、黒澤作品なんかその典型例であって。
そして、長く強烈な作家のメッセージと共に作品の題名が記憶として脳裏にこびりつく作品がいわいる名作だと仮定するなら、この作品は僕にとってはあと一つ足りない至極残念な作品。んしゅん(´・ω・`)

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