DVD ワーナー・ホーム・ビデオ 2003/06/03 ¥2,500
プラハの春とうたわれた1968年のチェコスロバキア、無類の女好きでもある脳外科医のトマシュ(ダニエル・デイ・ルイス)は、きまじめな娘テレーザ(ジュリエット・ビノシュ)と結婚するが、彼の女漁りは収まらない。やがてソ連軍が軍事介入してプラハに進駐し、ふたりはスイスへと移り住むが…。
フランスに亡命したチェコの作家クンデラのベストセラー小説を『ライトスタッフ』などのフィリップ・カウフマン監督が映画化した3時間弱の大作。洒脱な語り口と濃厚なラブシーン、ダイナミックな動乱場面などバラエティ豊かに描きつつも、主人公にとって女とは所詮軽い存在に過ぎない。しかし、彼もまたチェコの動乱の中では軽い存在でしかないという辛口のメッセージを一貫させた、大人のための見ごたえある優れた人間ドラマである。
愛情と性欲を別物として捉える男の態度は、自分の行為を正当化するご都合主義にしか僕にはうつらなかった。愛するものを傷つけない為には何かの犠牲を強いられるのも当然として覚悟すべきだ。
「人生はわたしにはとても重いものなのに、あなたにはごく軽いものなのね。その軽さにわたしは耐えられない」
しかしそれでも女が男を愛さずに居られなかったのは、その軽さを憎みつつも、憧れの気持ちもどこかにもっていたからなんじゃなかろうか。対極にある者同士が引かれあうってのは、自分にはない部分に魅力を感じたりするからってのもひとつにはあるだろうね。なんとなーくわかる、ような気がする。  

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