DVD ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2003/12/19 ¥2,500
グラディエーターとは、古代ローマ帝国時代の大衆への見世物として、巨大コロシアムで人間同士又は猛獣を相手に死ぬまで戦いを強いられた剣闘士のこと。
時は西暦180年。巨大コロシアムで戦うグラディエーターの中に、自らの野望しかない皇帝によって愛する妻子を殺され、英雄から奴隷の身におとしいれられたマキシマス将軍がいた。彼は妻子の復讐のために真のグラディエーターとなるべく戦い続けるのであった。真のグラディエターとはいったい…?
欲望、嫉妬と邪悪な空気が渦巻く中、妻子への愛の信念を貫くマキシマスにラッセル・クロウが扮している。強さの中に憂いを含む見事な彼の演技によって、戦闘シーンが苦手な女性にもおすすめできる。彼は本作でアカデミー主演男優賞を獲得した。また、リドリー・スコット監督を虜にしたという古代ローマの再現は圧巻。第73回アカデミー賞で5部門受賞。
今更ながら観ますた。
大作だけど大味。人物の描き方が勧善懲悪でなんだか薄いなあ。別に史実に忠実に作る必要はないとは思う、映画だから。だからいろんな脚色、解釈があって一向に構わない。
ただ、黒澤明も言ってるとおり、映画はディテールだと思うんだよね。たとえば「ベン・ハー」なんて服の色から、その当時食された野菜まで調べてるわけで、観客が気づかないところまで徹底することによってリアリティーってものが生まれてくると思うの。そこんところがこの作品はいまいち甘いかなって感じを受けますた。
それから、現在って、合戦シーンほど個性を出しにくい場面はないように感じる。一対一の果し合いってんならまだ多様性を見出すことが出来そうだけど、合戦を描くと今の時代だとどうにも俗っぽくなってしまうよね。これってやっぱりこういう場面を描いた映画があふれすぎてる時代だってことも原因の一つだろうけどさ。「七人の侍」なんかのころは。あーいう大掛かりな合戦の場面って非常に珍しかったと思うのね。だから新鮮に移ったんじゃないかな。そんなら、「七人の侍」合戦シーンを今観ると退屈かっていうとそんな事は全然ないのね。ていうのは、やっぱ見せ方の問題なんだよね。今の合戦シーンってなんか演出過多っていうかさ、アップアップの連続で引いた構図もあんまり使わないし、これ合戦のことだけじゃないけど、終始効果音や音楽、もしくは何らかの会話や声が挿入されていて、無の場面、静寂の力っていうものに信を置いてないよね。そしてすでにそういった合戦の演出の技術が現在では形成されてしまってるんじゃないかな。だからその場面だけを見ると、「ロード・オブ・ザ・リング」もこの「グラディエーター」も一緒に思えちゃう。
よく黒澤明の「影武者」で合戦シーンを描かずに合戦後の馬がのた打ち回るシーンをスローモーションでで撮ったことを、黒澤的ダイナミズムの消失だって批判する人多いけど、僕としてはああすることによって通俗性を免れているから良かったんじゃないかと思ってる。仮に黒澤だったとしても合戦のシーンを描けば何処か俗っぽくなることを避けられなかったように思うのね。まあせいぜい「乱」で描いたくらいの合戦シーンが限界じゃないかな。そういう意味でも黒澤はうまいなあって思うけどさ、僕なんかは。
もし今のあーいった合戦シーンの演出が時代の要請であったとしても、僕としては「七人の侍」のような合戦シーンを撮る人が現れることを望む。絶対そっちのほうが受けると思うんだけどなあ、新鮮に映ってさ。
まあ他にも実は色々いいたいことはあるのやけどね、この映画に関しては。でも、まあいーや。  

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