DVD パイオニアLDC 2003/02/21 ¥2,980
寂しさは生を希求する。それは結局は人間を求めるということなんだろうなあ。寂しさはときに死の恐怖にも打ち勝つ。絶望とは、まさにそのときをいうんじゃなかろうか。たとえひとりでも人とのつながりを実感できればそこに生きる術を見出せる。しかしそれは強固なものでなければならない。
強固な人とのつながり、陳腐な言葉で言い表せば、真の友情、ということになるのかなあ。
どんな仕事でも他人の人生の一部分に関与する。思えば弁護士ってのは他人の人生の一場面に刹那的に深く関与する仕事だ。たとえそれがその人の人生にとても重大な意味を持つのだとしても、弁護士が関係するのはやはりその部分だけなのであり、刹那的にしか関われないのだ。
そこに弁護士という仕事の矛盾を感じる。深く関与するためには、深い関係を築かなければ難しいのではないか?しかし短期間でそのような深い関係を築けるのか?
なるほど、仕事に私感情は不用だとする向きもあるだろうし、それもある意味でプロフェッショナルといえる。しかしそれではこの映画は成立しなかっただろう。この作品は、ひとりの弁護士がひとりの他人の人生に刹那ではなく生涯立ち会うんだという決意なればこそ成立しえたんだと思う。そしてそれもまた、ある意味でプロフェッショナルと言えるのではないだろうか。
時は1941年、25年の重刑でアルカトラズ刑務所に入獄中だったヘンリー(ケヴィン・ベーコン)は脱獄に失敗し、計画を密告した仲間を所内で殺害。死刑は確実と思われた裁判だが、若手エリート弁護士ジェームズ(クリスチャン・スレイター)は、ヘンリーが脱獄以前に彼が3年も地下牢に入れられ虐待されていた事実を知って無罪を主張し、逆に刑務所側を告発する…。僕は刑務所に入ったこともなければ、当然真っ暗闇の部屋の中で3年間も糞尿にまみれながらすごした事もない。だからそういう状況で人間がどういう精神状態に陥るのかなどわかるはずもない。だがおそらく、この映画に描かれたことは誇大表現ではないだろう。少なくとも僕はそう感じている。
アルカトラズ刑務所が閉鎖されるひとつのきっかけともなった実際の事件を、マーク・ロッコ監督が映画化。時の若手実力派スターの共演プラス、刑務所長役のゲイリー・オールドマンがいつもながらの怪演を見せてくれるのが見ものの、静かながらも息詰まるシーンが連発する法廷サスペンス劇である。
寂しさは生を希求する。それは結局は人間を求めるということなんだろうなあ。寂しさはときに死の恐怖にも打ち勝つ。絶望とは、まさにそのときをいうんじゃなかろうか。たとえひとりでも人とのつながりを実感できればそこに生きる術を見出せる。しかしそれは強固なものでなければならない。
強固な人とのつながり、陳腐な言葉で言い表せば、真の友情、ということになるのかなあ。
どんな仕事でも他人の人生の一部分に関与する。思えば弁護士ってのは他人の人生の一場面に刹那的に深く関与する仕事だ。たとえそれがその人の人生にとても重大な意味を持つのだとしても、弁護士が関係するのはやはりその部分だけなのであり、刹那的にしか関われないのだ。
そこに弁護士という仕事の矛盾を感じる。深く関与するためには、深い関係を築かなければ難しいのではないか?しかし短期間でそのような深い関係を築けるのか?
なるほど、仕事に私感情は不用だとする向きもあるだろうし、それもある意味でプロフェッショナルといえる。しかしそれではこの映画は成立しなかっただろう。この作品は、ひとりの弁護士がひとりの他人の人生に刹那ではなく生涯立ち会うんだという決意なればこそ成立しえたんだと思う。そしてそれもまた、ある意味でプロフェッショナルと言えるのではないだろうか。
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