DVD パイオニアLDC 2003/12/21 ¥3,800
アイドルグループの一員だった霧越未麻は、グループを脱退して女優への道を選ぶが、未麻にアイドルのままでいて欲しいと願うマニアックなファンの影が彼女を脅かす。ある日未麻は、「アイドルの未麻」が日記を書いているホームページを発見。そこには、彼女しか知らないはずの事実が書かれていた。それを見たときから、彼女は「アイドルの未麻」が実体化して自分をあざ笑う幻覚に悩まされるようになる…。
扇情的なシーンを多層的にコラージュし、一筋縄では終わらないサイコスリラーに仕上げたのは、『老人Z』『MEMORIES』などに参加後、本作で監督デビューを果たした今敏(こん・さとし)。何気ない場面すら当たり前の方法では見せないその「語り口」に、物語が始まって間もなく観客は幻惑されはじめる。爆弾事件、レイプ、連続殺人、度重なる悪夢からの目覚め…これは現実なのか、主人公が演じているドラマの中の話なのか、それとも主人公の妄想なのか。その境がどんどん曖昧になっていき、それ自体が、次々展開する陰惨なシーン以上に「不安定な恐怖感」をもたらす。
決して「夢オチ」などにはせず、サスペンスとしてきっちり落とし前をつけるラストも見事。狂信的ファンの行動や執拗な陵辱シーンなど、描写が「リアルすぎてエグい」あたりに抵抗を感じる向きもあるかもしれないが、食わず嫌いは絶対にもったいない傑作である。
昨日の続きで、風邪の間に観たジャパニメ。
ここのところ、注目されてきてる今敏監督の第1作。実は、サイコものってあんまり好むところではないので、その存在は知っていたものの、なかなか観る気にならなかった本作。まあ、風邪でも引かなかったならもっと観るのが遅くなっていただろなあ。
しかし、観らずに評価なんてするもんじゃないなあって改めて思ったね。見事にだまされてしまった〜って、僕が単純なだけなのかもしれないけど、結構よかった。しかも、主人公が大分弁を話してたってのがポイントアップ。途中から、なにが現実でなにが夢なのかがわからず混乱してくる。ってのは、まさに監督の術中にはまってるんだろうね。中盤からは、僕も物語りに入りこんでしまったような感覚で、じっと画面を凝視しておった。今監督は、宮崎、大友、押井につづく、世界的な監督になるかもしれないなあ、って期待しときましょ。 

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