読書 『セロトニン欠乏脳―キレる脳・鬱の脳をきたえ直す』
2004年1月28日 読書
ISBN:4140880937 新書 有田 秀穂 日本放送出版協会 ¥680
そんな折に本屋で、こんな題名の本を見つけたならば、そりゃあ買っちゃうってさ。
結構前に読んでしまったのだけど、なかなか書く機会がなくて今日まで延ばしちゃったけど、この本は、ぜひ強迫の人に読んでもらいたい。強迫には直接触れられてはいないものの、強迫に役立つ、関連した情報、そして、行動療法(といえると思う)が載っているから。
さて、この本は、なぜ最近、切れやすい人たちが増えていってるのか?ということから、セロトニンの仕組みを解き明かしていってる。
その1つの原因として考えられているのが、ゲーム脳とよばれる脳の状態らしい。これは、ゲームをよくする子供に現れることから呼ばれているんだけど、当然大人にも現れるし,ゲームだけではなく、パソコンのやりすぎ、テレビの見過ぎなどによっても起こる前頭前野の機能低下のことを言う。そしてこの前頭前野は、感情を司る部分らしい、そしてその機能低下をもたらしている一因として、セロトニン神経の弱体化が関連しているというのである。
では、セロトニンとはいったいなんなのか?
まず、人の心の状態を作り出すのに作用している神経はド−パミン神経とノルアドレナリン神経のふたつに大別できる。前者は、快楽や欲望などに、後者は不安やストレスなどに作用する。そして、その2つの神経に対して抑制をかけているのが、セロトニン神経なのである。
つまり、このセロトニン神経が弱っていると、ふたつの神経の抑制が効かなくなり様様な弊害をもたらすという訳である。例えばセロトニンの弱体によって現れる障害の例として、過度のストレスにノルアドレナリンが過剰反応を示してしまうパニック障害や、感情の抑制が効かずに起こる躁や鬱などの症状である。そして、当然、行動の抑制が効かなくなる強迫性障害も含まれるだろう。
すなわち、セロトニン神経とは、何事にも同じることのないクールな心的状態、平常心を作り出す神経といってよい。
では、この神経を弱体化させないためにはどうすればよいのだろうか?
セロトニン神経を活性化させるには、太陽の光に当たること、そして、歩行・呼吸・咀嚼などのリズム運動が、必要なのである。
なんだ、日常やってることじゃん。って、そう、日常の生活を営んでいれば、通常のレベルにセロトニン神経を維持できるのである。では、なぜ、今現在、切れる若者やうつ病で自殺をする人たちの増加が問題となっているのか?それは、その普通の日常が遅れなくなっているからである。たとえば、僕にも当てはまるのだけど、家に引きこもっていると、どうしても運動不足で、リズム運動がおろそかになり,パソコンやテレビ、もしくはゲームに向かう時間が増えてくる。外に出ないものだから日光にも浴びず、あまつさえ、昼夜逆転の生活を送っていることもある。この昼夜逆転、不規則な生活こそがセロトニン神経には大敵なのである。冬場にうつ病が重くなる冬季鬱病(季節性感情障害)も日照時間の少なさによるセロトニンの弱体化で説明がつく。
つまりは、家にいても、ゲームやパソコン、テレビなどの娯楽が増え、外に出る必要もなければ、便利になった弊害としての運動不足など、まさに、鬱や、切れやすさなどは、現代病といえるのである。
ならば、その現代では,意識的にセロトニン神経を鍛えていく必要が出てくる。
さて、ここからはこの本の仮説になってくるのだが、座禅が取り上げられている。つまり、僧侶がやっていることは,徹底的にセロトニンを鍛える行為だというのである。確かに、僧侶は無の境地を悟りとする。無とは、何物にも動じない心、平常心だろう。とすれば、感情を抑制するセロトニンを活性化するという行為がすなわち座禅であると言う事も理にかなっている。なぜなら座禅は呼吸法だからである。このことを持って、この本では,セロトニンを鍛える方法として、呼吸法を紹介し、科学的に検証していっている。過去の人の知恵をこうも科学的に検証されてしまうと、もう神秘などという言葉では済ませられない、充分に信憑性をもった説である。
セロトニンは,無意識的な動作では、活性化されない。
普通の呼吸では、横隔膜は意識がなくても働く呼吸中枢によってコントロールされているが、呼吸法による複式呼吸は、意識がなければ働かない大脳皮質からの指令で動いているからである。
呼吸法を30分、これを、100日続ければ、セロトニン神経の構造自体を修正し、常に活性化された神経へと変革できるというのである。もちろんそれ以後も継続していかなければならないが、細胞に変化が完了するのは100日後だということである。
僕も試してみるつもりだ、先は長いけど、呼吸法を週間づけていけば、いつか強迫も治ってくれるかもしれない。
これ以上の詳述は避けておくが、この本には、これらのことがわかりやすく、そして説得力を持って語られている。自分の障害を知っておくことは、解決への第一歩だと思っている。よければ、一読をお勧めする。
キレる子どもや鬱の大人の脳では、セロトニン神経が衰弱し、脳内物質が欠乏している。不安や恐怖、興奮を適度に抑え、覚醒時のクールな意識(とらわれない心)を演出するセロトニン神経の不思議な働きを明らかにする。リズム運動できたえ、昼夜逆転した生活習慣を見直すことなどで、弱った脳と心に静かなパワーをとり戻す方法を、脳科学研究の最前線から提案する。僕は、ルボックスという薬を飲んでいるのだけど、その薬は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という種類らしい。ということで、強迫にセロトニンがどう作用しているのかに興味があって、以前から、ちょこちょこ調べていた。
そんな折に本屋で、こんな題名の本を見つけたならば、そりゃあ買っちゃうってさ。
結構前に読んでしまったのだけど、なかなか書く機会がなくて今日まで延ばしちゃったけど、この本は、ぜひ強迫の人に読んでもらいたい。強迫には直接触れられてはいないものの、強迫に役立つ、関連した情報、そして、行動療法(といえると思う)が載っているから。
さて、この本は、なぜ最近、切れやすい人たちが増えていってるのか?ということから、セロトニンの仕組みを解き明かしていってる。
その1つの原因として考えられているのが、ゲーム脳とよばれる脳の状態らしい。これは、ゲームをよくする子供に現れることから呼ばれているんだけど、当然大人にも現れるし,ゲームだけではなく、パソコンのやりすぎ、テレビの見過ぎなどによっても起こる前頭前野の機能低下のことを言う。そしてこの前頭前野は、感情を司る部分らしい、そしてその機能低下をもたらしている一因として、セロトニン神経の弱体化が関連しているというのである。
では、セロトニンとはいったいなんなのか?
まず、人の心の状態を作り出すのに作用している神経はド−パミン神経とノルアドレナリン神経のふたつに大別できる。前者は、快楽や欲望などに、後者は不安やストレスなどに作用する。そして、その2つの神経に対して抑制をかけているのが、セロトニン神経なのである。
つまり、このセロトニン神経が弱っていると、ふたつの神経の抑制が効かなくなり様様な弊害をもたらすという訳である。例えばセロトニンの弱体によって現れる障害の例として、過度のストレスにノルアドレナリンが過剰反応を示してしまうパニック障害や、感情の抑制が効かずに起こる躁や鬱などの症状である。そして、当然、行動の抑制が効かなくなる強迫性障害も含まれるだろう。
すなわち、セロトニン神経とは、何事にも同じることのないクールな心的状態、平常心を作り出す神経といってよい。
では、この神経を弱体化させないためにはどうすればよいのだろうか?
セロトニン神経を活性化させるには、太陽の光に当たること、そして、歩行・呼吸・咀嚼などのリズム運動が、必要なのである。
なんだ、日常やってることじゃん。って、そう、日常の生活を営んでいれば、通常のレベルにセロトニン神経を維持できるのである。では、なぜ、今現在、切れる若者やうつ病で自殺をする人たちの増加が問題となっているのか?それは、その普通の日常が遅れなくなっているからである。たとえば、僕にも当てはまるのだけど、家に引きこもっていると、どうしても運動不足で、リズム運動がおろそかになり,パソコンやテレビ、もしくはゲームに向かう時間が増えてくる。外に出ないものだから日光にも浴びず、あまつさえ、昼夜逆転の生活を送っていることもある。この昼夜逆転、不規則な生活こそがセロトニン神経には大敵なのである。冬場にうつ病が重くなる冬季鬱病(季節性感情障害)も日照時間の少なさによるセロトニンの弱体化で説明がつく。
つまりは、家にいても、ゲームやパソコン、テレビなどの娯楽が増え、外に出る必要もなければ、便利になった弊害としての運動不足など、まさに、鬱や、切れやすさなどは、現代病といえるのである。
ならば、その現代では,意識的にセロトニン神経を鍛えていく必要が出てくる。
さて、ここからはこの本の仮説になってくるのだが、座禅が取り上げられている。つまり、僧侶がやっていることは,徹底的にセロトニンを鍛える行為だというのである。確かに、僧侶は無の境地を悟りとする。無とは、何物にも動じない心、平常心だろう。とすれば、感情を抑制するセロトニンを活性化するという行為がすなわち座禅であると言う事も理にかなっている。なぜなら座禅は呼吸法だからである。このことを持って、この本では,セロトニンを鍛える方法として、呼吸法を紹介し、科学的に検証していっている。過去の人の知恵をこうも科学的に検証されてしまうと、もう神秘などという言葉では済ませられない、充分に信憑性をもった説である。
セロトニンは,無意識的な動作では、活性化されない。
普通の呼吸では、横隔膜は意識がなくても働く呼吸中枢によってコントロールされているが、呼吸法による複式呼吸は、意識がなければ働かない大脳皮質からの指令で動いているからである。
呼吸法を30分、これを、100日続ければ、セロトニン神経の構造自体を修正し、常に活性化された神経へと変革できるというのである。もちろんそれ以後も継続していかなければならないが、細胞に変化が完了するのは100日後だということである。
僕も試してみるつもりだ、先は長いけど、呼吸法を週間づけていけば、いつか強迫も治ってくれるかもしれない。
これ以上の詳述は避けておくが、この本には、これらのことがわかりやすく、そして説得力を持って語られている。自分の障害を知っておくことは、解決への第一歩だと思っている。よければ、一読をお勧めする。
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