小休止。幕間に読書感想をどうぞ。

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読書

●『レ・ミゼラブル(2)』(ヴィクトル・ユーゴー著)読了。
軍艦から海中に身を投じて巧みに官憲の目をくらましたジャン・ヴァルジャンは、コゼットの前に姿を現わし、彼女を悪辣なテナルディエ夫婦のもとから救い出す。2人はパリの一画に身をひそめるが、執拗なジャヴェル警視の追及の手はついにここにものびてきた。
ふう、後半分だよ。。。長かったなあ。ということで、今回も心に残った言葉を、僕が共感したかしなかったかは別として載せておく。

「内心の分裂は生活の不統一をきたす」

「瞞着者で落ち着いた男であって、まあ穏やかな方の悪党であった。けれどもそれは最も性質のよくないやつである、なぜなら偽善が交じってくるからである」

「善き考えも悪き考えと同じく、その深い淵を持っているものである」

「およそいかなる善人といえども、まったく私心を有しない者はいない」

「刺ある棒をつかむ者はまず手袋をはめる」

「もはや存在しない事物をも研究しようではないか。それを知ることは必要である、それを避けんがためにでも。過去の偽者は偽名を取って好んで未来と自称する。この幽霊は、過去は、しばしばその通行権を偽造する。われわれはその詭計を見破ろうではないか。疑念をはさもうではないか。過去は迷信という顔を持ち、虚偽という仮面をかぶる。その顔を摘発し、その仮面を引きはごうではないか」

「未知なるものは1つの大洋である。人の本心とはなにか?それは未知なるものに対する羅針盤である。思想、夢想、祈祷、そこにこそ大なる神秘的光輝がある。(略)人の魂のおごそかなるそれらの発光はどこへ向かって進むか。それは影へ向かってである。換言すれば光明へ向かってである」

「倫理は多くの真理の開花である。静観することはやがて行動することになる。絶対的なるものは実際的なるものでなければならない。理想なるものは、人の精神にとっては呼吸し飲み食し得るものでなければならない」

「すべての美点は欠点のうちに投げ込まれるものだ。倹約は吝嗇に近く、寛大は浪費に接し、勇気はからいばりに隣する」

「貧困は、うまくゆくと特殊な美点を有して、人の意思をすべての努力の方へ転ぜしめ、人の心をすべて希望の方へ向かわしむる。貧困は直ちに物質的生活を赤裸々にして、それを嫌悪すべきものたらしめ、従って人を精神的生活の方へ飛躍せしむる」

「悶々たる人間の利己心を脱して、瞑思する人間の同情心に達する」

「無形の仕事にでき得る限り多く働かんがために有形の仕事にでき得る限り少なく働くこと。言葉を換えて言えば、現実の生活に幾時間かを与え、残余の時間を無窮のうちに投げ込むこと」

「他人の内心をのぞくことが肉眼に許されるならば、人はその思想するところのものによってよりも、その夢想するところのものによっていっそう確実に判断さるるであろう。思想のうちには意思がある。しかし夢想のうちにはそれがない」

「こしらえ上げ推理し組み合わした理想の中よりも、それら憧憬の中にこそ、各人の真の性格は見いだされる。幻想こそ最もよくその人に似る。各人はその性格に従って不可知のものと不可能のものとを夢想する」


以上。 

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