そしてアガシだけが残った・・・
2003年8月27日 テニステニスの試合をまともに見なくなって幾年月が流れたろうか、気づけば、もうUSオープンが始まってる。
そして、気がつけば、サンプラスが引退していた。
最近はテニス雑誌を手に取ることもほとんどなくなってたんやけども、この前本屋によった時、何故か久しぶりにテニスマガジンを読んでいた。ぱらぱらと項を繰っていくうちにひとつの記事に目が止まった。
”サンプラス近々引退か?”
M・チャンに付いては、前々からランキングも落ちていたし予想はついていた。だが、この記事には驚かずにはいられなかった。
サンプラスは去年の今ごろまだトップ10にはいってはいなかっただろうか?
僕は知らなかったが、サンプラスは去年のUSオープン以降なんの大会にもエントリーしていなかったらしい。この情報を知ったのはほんの数日前である。
そして今日の朝刊に、サンプラスが引退したことが載っていた。
ピート・サンプラス
少しでもテニスを齧ったことのある人なら、この名前を知らないものはまずいないだろう。
サンプラスが最盛期のころ、彼にライバルはいなかった。よくアガシがライバルとしてあげられるが、僕はその意見に組しない。
サンプラス・アガシ・クーリエ・チャン。
アメリカ四天王というが、実のところサンプラスの実力はやはり飛びぬけていた。
比べられる選手といえば、彼らの前時代を築いたビヨン・ボルグぐらいだろうか。
いや、ボルグでも及ばないだろう。それくらい彼は強かった。
彼はあまり人気のあるNo1ではなかったが、それは個性がないわけではなく、あまりにも完璧過ぎたからだ。
どんな王者にもなにかひとつぐらいは粗を見つけられるものである。だが彼には、そのプレイにおいて粗を見つけることが出来なかった。完成されていた。だから人は彼のプレイに人間味を感じることが出来なかったのだ。
いってみればそれこそが彼の個性だったのだけれど。
かくいう僕も、彼が好きではなかった。
プレイだけではなく、そのメンタルも抜きん出ており、ほとんど試合中表情が変わることもなかった。どんな苦境に立たされようとも、決して彼が負ける気がしないのだ。また、苦境になるほどその憎らしい強さを発揮するのである。
僕は闘志剥き出しでボールを拾い捲るチャンが好きだったが、サンプラスと当たるときは、チャンを応援しつつもすでに負けを受け入れていた。
サンプラスはギリシャ系アメリカ人で、先天的に地中海性貧血症という体質を持っており、熱射のなか長時間動くと、貧血を起こしてしまう。
僕はチャンがサンプラスと対戦するときはそれが起こることを願うしかなかった。その病気しか彼の欠点といえるところは実質なかったのだ。
チャンとクーリエは天才ではない。努力の人だ。
アガシは今は努力し出したが、昔はただの天才で、その才能に頼り切っていた。
そしてサンプラスは、天才で、かつ努力家だった。
あのころ、アガシがもっと努力していれば、ひょっとするとサンプラスのライバルとなり得たかもしれないが、その可能性も今となっては憶測の域を出ない。
つまりアガシは自分の一番の好機を努力をせずに逃し、サンプラスはしっかりと捕まえ、ひとつの時代を打ちたてた。そういった部分も含めて完璧なのである。
彼のあのストイックさは、おそらくひとつ前の世代のチャンピオン、イワン・レンドルとの交流の中で学び取ったものではないかと考えている。
レンドルもまたそのストイックさゆえに至上もっとも人気のないNo1と揶揄された選手だ。しかし、誰よりもプロフェッショナルであったからこそサンプラスに破られるまで最長のNo1期間の記録を保持できたのだ。
誰よりも努力した天才、誰よりもプロフェッショナルだった天才。
おそらく今後のテニス界でサンプラスを凌ぐほどの選手は出てこないだろう。
彼はグランドスラムのひとつ、フレンチオープンのタイトルだけはとうとう取ることが出来なかったが、そのことも彼の至上最強のオールラウンドプレイヤーという称号をいくほどをも薄めるものではない。
文字通り不世出のテニスプレイヤー。その形容を冠することが許されるプレイヤーは今までも、そしてこれから先も、P・サンプラスを置いて他にはいないだろう。
面白いもので、テニスの時代は波のように、ひとつの塊の如く動いていっている。
僕がテニスを知る前、B・ボルグ、J・コナーズ、J・マッケンロー、P・キャッシュなどが活躍し、その次にI・レンドル、B・ベッカー。
そして世代交代が、89年マイケル・チャンが、フレンチ、ロランギャロスで最年少優勝を皮切りに起こった。サンプラスの全米優勝、アガシのウインブルドン優勝。クーリエの全豪優勝。
四天王時代、僕はテニスを始めた。
そして時は流れ、今、アガシだけが残った。
彼は熟練実を増し、努力もしだしたお陰で、その強さはまだ健在だ。彼にはかつてのコナーズのように粘って現役を続けてほしい。世代交代は、アガシが引退しない限り完全には終わらないのだ。
L・ヒューイット、A・ロディック、R・フェデラー、F・フェレーロ、S・グロージャン。
詳しくはないが、次の世代は彼らが引っ張っていくだろう。
さて、アガシとグラフの子供が成長して、テニス界でデビューするときは、いったい何度目の世代交代なのだろうか?
そして、気がつけば、サンプラスが引退していた。
最近はテニス雑誌を手に取ることもほとんどなくなってたんやけども、この前本屋によった時、何故か久しぶりにテニスマガジンを読んでいた。ぱらぱらと項を繰っていくうちにひとつの記事に目が止まった。
”サンプラス近々引退か?”
M・チャンに付いては、前々からランキングも落ちていたし予想はついていた。だが、この記事には驚かずにはいられなかった。
サンプラスは去年の今ごろまだトップ10にはいってはいなかっただろうか?
僕は知らなかったが、サンプラスは去年のUSオープン以降なんの大会にもエントリーしていなかったらしい。この情報を知ったのはほんの数日前である。
そして今日の朝刊に、サンプラスが引退したことが載っていた。
ピート・サンプラス
少しでもテニスを齧ったことのある人なら、この名前を知らないものはまずいないだろう。
サンプラスが最盛期のころ、彼にライバルはいなかった。よくアガシがライバルとしてあげられるが、僕はその意見に組しない。
サンプラス・アガシ・クーリエ・チャン。
アメリカ四天王というが、実のところサンプラスの実力はやはり飛びぬけていた。
比べられる選手といえば、彼らの前時代を築いたビヨン・ボルグぐらいだろうか。
いや、ボルグでも及ばないだろう。それくらい彼は強かった。
彼はあまり人気のあるNo1ではなかったが、それは個性がないわけではなく、あまりにも完璧過ぎたからだ。
どんな王者にもなにかひとつぐらいは粗を見つけられるものである。だが彼には、そのプレイにおいて粗を見つけることが出来なかった。完成されていた。だから人は彼のプレイに人間味を感じることが出来なかったのだ。
いってみればそれこそが彼の個性だったのだけれど。
かくいう僕も、彼が好きではなかった。
プレイだけではなく、そのメンタルも抜きん出ており、ほとんど試合中表情が変わることもなかった。どんな苦境に立たされようとも、決して彼が負ける気がしないのだ。また、苦境になるほどその憎らしい強さを発揮するのである。
僕は闘志剥き出しでボールを拾い捲るチャンが好きだったが、サンプラスと当たるときは、チャンを応援しつつもすでに負けを受け入れていた。
サンプラスはギリシャ系アメリカ人で、先天的に地中海性貧血症という体質を持っており、熱射のなか長時間動くと、貧血を起こしてしまう。
僕はチャンがサンプラスと対戦するときはそれが起こることを願うしかなかった。その病気しか彼の欠点といえるところは実質なかったのだ。
チャンとクーリエは天才ではない。努力の人だ。
アガシは今は努力し出したが、昔はただの天才で、その才能に頼り切っていた。
そしてサンプラスは、天才で、かつ努力家だった。
あのころ、アガシがもっと努力していれば、ひょっとするとサンプラスのライバルとなり得たかもしれないが、その可能性も今となっては憶測の域を出ない。
つまりアガシは自分の一番の好機を努力をせずに逃し、サンプラスはしっかりと捕まえ、ひとつの時代を打ちたてた。そういった部分も含めて完璧なのである。
彼のあのストイックさは、おそらくひとつ前の世代のチャンピオン、イワン・レンドルとの交流の中で学び取ったものではないかと考えている。
レンドルもまたそのストイックさゆえに至上もっとも人気のないNo1と揶揄された選手だ。しかし、誰よりもプロフェッショナルであったからこそサンプラスに破られるまで最長のNo1期間の記録を保持できたのだ。
誰よりも努力した天才、誰よりもプロフェッショナルだった天才。
おそらく今後のテニス界でサンプラスを凌ぐほどの選手は出てこないだろう。
彼はグランドスラムのひとつ、フレンチオープンのタイトルだけはとうとう取ることが出来なかったが、そのことも彼の至上最強のオールラウンドプレイヤーという称号をいくほどをも薄めるものではない。
文字通り不世出のテニスプレイヤー。その形容を冠することが許されるプレイヤーは今までも、そしてこれから先も、P・サンプラスを置いて他にはいないだろう。
面白いもので、テニスの時代は波のように、ひとつの塊の如く動いていっている。
僕がテニスを知る前、B・ボルグ、J・コナーズ、J・マッケンロー、P・キャッシュなどが活躍し、その次にI・レンドル、B・ベッカー。
そして世代交代が、89年マイケル・チャンが、フレンチ、ロランギャロスで最年少優勝を皮切りに起こった。サンプラスの全米優勝、アガシのウインブルドン優勝。クーリエの全豪優勝。
四天王時代、僕はテニスを始めた。
そして時は流れ、今、アガシだけが残った。
彼は熟練実を増し、努力もしだしたお陰で、その強さはまだ健在だ。彼にはかつてのコナーズのように粘って現役を続けてほしい。世代交代は、アガシが引退しない限り完全には終わらないのだ。
L・ヒューイット、A・ロディック、R・フェデラー、F・フェレーロ、S・グロージャン。
詳しくはないが、次の世代は彼らが引っ張っていくだろう。
さて、アガシとグラフの子供が成長して、テニス界でデビューするときは、いったい何度目の世代交代なのだろうか?
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